Address Change
バイクの住所変更——引っ越したときの手続きを区分別に
引っ越したら、バイクの登録上の住所も変えます。放っておくと納税通知書が旧住所に届き、気づかないうちに滞納になって、250cc超なら車検が通らなくなります。区分ごとにやることが違うので、順に見ていきます。
原付は旧市区町村で廃車申告→新市区町村で標識交付申請(ナンバーは必ず変わります)。軽二輪・小型二輪は運輸支局で15日以内、同じ支局の管内ならナンバーは変わりません。🔴 どの区分でも「税の申告」を忘れないでください。ここを飛ばすと通知が旧住所に行き続けます。
区分別・やることの早見表
| 区分 | やること | 窓口 | 期限 | ナンバー |
|---|---|---|---|---|
| 原付 | 旧市区町村で廃車申告 → 新市区町村で標識交付申請 | 市区町村役場 | 条例による | 必ず変わる |
| 軽二輪 | 軽自動車届出済証の記入(住所変更) | 運輸支局 | 15日以内 | 支局をまたぐと変わる |
| 小型二輪 | 自動車検査証の変更記録(住所変更) | 運輸支局 | 15日以内 | 支局をまたぐと変わる |
原付は市区町村が変われば必ずナンバーが変わります。課税する市区町村が変わるので、標識も取り直しになるからです(地方税法第443条第1項=主たる定置場所在の市町村が課税)。
軽二輪・小型二輪は、同じ運輸支局の管内での引っ越しならナンバーは変わりません。たとえば同じ「品川」ナンバーの管内で引っ越すなら、書面の住所欄が書き換わるだけです。現車を持っていく必要もありません。
四輪だと引っ越しのたびに車庫証明を取り直しますが、バイクは排気量にかかわらず不要です(保管場所法第2条第1号)。ただし実際に置く場所は当然必要です。理由はこちら。
原付の住所変更
やることは名義変更と同じ「2段構え」です。
ナンバープレートを返納し、廃車申告受付書をもらいます
受付書を出して、新しいナンバーと標識交付証明書をもらいます
名義変更と違って譲渡証明書は要りません(所有者が変わらないため)。持ち物は、①がナンバープレート・標識交付証明書・本人確認書類・印鑑、②が廃車申告受付書・本人確認書類・印鑑です。手数料は無料の自治体がほとんどです。
引っ越し先から旧住所の市役所に送れます。廃車申告書(自治体サイトからダウンロード)・ナンバープレート・標識交付証明書のコピー・本人確認書類のコピー・返信用封筒を送ります。⚠ プレートは厚紙で挟んでください。封筒が破れます。詳しくは 原付の廃車 の第4章へ。
同じ役所の建物の中でも、住民票の窓口とバイクの窓口(税務課)は違います。転入届を出したら、その足で税務課へ寄ってください。1回の来庁で済ませられます。
軽二輪の住所変更
検査対象外軽自動車の使用者は、軽自動車届出済証の記載事項について変更があつたときは、その日から十五日以内に、当該事項の変更について、運輸監理部長又は運輸支局長が行う軽自動車届出済証の記入を受けなければならない。
名義変更と同じ「記入」の手続きです。申請書の名前も同じ「軽自動車届出済証記入申請書」で、変更事由が住所になるだけです。
| 持ち物 | 備考 |
|---|---|
| 軽自動車届出済証 | 原本 |
| 新住所を証明する書面 | 住民票(発行後3か月以内)など |
| 印鑑 | 認印 |
| ナンバープレート+現車 | 支局をまたぐ場合のみ |
| 記入申請書 | 窓口にあります |
| 軽自動車税(種別割)申告書 | 支局内の税窓口 |
手数料は基本的にかかりません。ナンバーが変わる場合のプレート代(500〜600円程度)だけです。
規則第63条の5の違反そのものを罰する条文は置かれていません。ただし放置すれば納税通知書が旧住所に届き続けるので、実害は出ます(期限と罰則の整理)。
小型二輪の住所変更
自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない。
持ち物は軽二輪とほぼ同じで、軽自動車届出済証の代わりに自動車検査証(ICカード)を持っていきます。
15日以内の期限を守らないと、法第110条第1号により30万円以下の罰金の対象です。軽二輪と違って罰則規定があるので、小型二輪のほうが厳しいと覚えておいてください。
2023年1月からのICカード型では、使用者の住所は券面に印刷されていません。手続き後に「書き換わったか確認したい」場合は、専用アプリ(車検証閲覧アプリ)かカードリーダーが必要です。
なお、車検が近い場合は先に住所変更、あとで継続検査です。法第62条第5項が「あらかじめ、その申請をしなければならない」と定めています(ユーザー車検)。
住所が2回以上動いているとき
引っ越しを繰り返して、書面上の住所から現住所まで2回以上動いている場合は、住民票だけでは間がつながりません。
| 状況 | 必要な書面 |
|---|---|
| 1回の引っ越し | 住民票(前住所が記載されているもの) |
| 2回以上の引っ越し | 戸籍の附票、または住民票の除票を重ねてつなぐ |
| 本籍地も動いている | 戸籍の附票が複数必要になることがあります |
戸籍の附票は、その戸籍が作られてからの住所の履歴が全部載っている書面です。本籍地の市区町村で取ります(郵送請求もできます)。1枚でつながることが多いので、迷ったらこちらを取るのが早いです。
結婚などで氏名が変わっているときは、戸籍謄本でつなぐ必要があります。住所と氏名の両方が動いているなら、戸籍の附票と戸籍謄本の両方を用意しておくと確実です。
市町村合併や町名変更のときは手続き不要です
前項の規定は、行政区画又は土地の名称の変更により、自動車の使用者若しくは所有者の住所又は自動車の使用の本拠の位置についての自動車検査証記録事項の変更があつた場合については、適用しない。
自分で引っ越したわけではなく、住所の表記のほうが変わった——市町村合併、町名地番の変更、住居表示の実施。この場合は手続きが要りません。次の車検のときに書き換わります。
軽二輪も実務上は同じ扱いです。原付も、市区町村自体が変わらないので何もする必要はありません。
A町がB市に編入されて、原付のナンバーがA町のものからB市のものに切り替わる——この場合は自治体側から案内が来ます。指示に従ってください。
忘れやすい「税の申告」
引っ越しでいちばん抜けるのが、軽自動車税(種別割)の申告です。
- 原付——新市区町村で標識交付申請をすれば、そのまま課税台帳に載ります。追加の作業は不要です
- 軽二輪・小型二輪——🔴 運輸支局で書面を直しただけでは、税の側は自動では動きません。支局内(または隣接)の税の申告窓口で、軽自動車税(種別割)申告書を出してください
翌年5月の納税通知書が旧住所に届きます。郵便の転送期間(1年)が切れていれば、あなたの手元には来ません。気付かないまま滞納になり——
🔴 250cc超なら、次の車検で止まります。道路運送車両法第97条の2第3項が「書面の提示又は……納付の事実の確認がないときは、自動車検査証の返付をしないものとする」と定めているためです。
支局の建物を出る前に、「税の窓口はどこですか」と一言聞く。これだけで防げます。
自賠責と任意保険
自賠責保険(義務)
住所は自賠責保険証明書の記載事項です。自動車損害賠償保障法第7条第2項が「記載事項について変更があつたときは……その変更についての記入を受けなければならない」と義務づけています。契約している保険会社(代理店・共済)で手続きしてください。手数料はかかりません。
自動車損害賠償保障法第20条第1号は、車両番号・標識の番号を契約上の「危険に関する重要な事項」と定めています。原付は引っ越しでナンバーが必ず変わるので、手続きが終わったその足で保険の窓口へ行ってください。詳しくは バイクの自賠責 へ。
任意保険
住所によって保険料が変わることがあります。連絡を怠ると、事故のときに問題になりえます。ファミリーバイク特約を使っている場合は、四輪の契約のほうも住所変更が必要です。
そのほか
- 駐輪場の登録——月極や集合住宅は番号で管理していることが多いので届け出てください
- ETC(二輪用)——セットアップ情報にナンバーが含まれます。ナンバーが変わったら再セットアップが必要です
同じ市区町村内・同じ支局内での引っ越し
| 区分 | 同じ市区町村内/同じ支局管内 |
|---|---|
| 原付 | 住所変更の届出のみ。ナンバーはそのままの自治体が多い(要確認) |
| 軽二輪 | 届出済証の記入のみ。ナンバーはそのまま・現車の持ち込み不要 |
| 小型二輪 | 検査証の変更記録のみ。ナンバーはそのまま・現車の持ち込み不要 |
軽二輪・小型二輪は、書類だけ持って行けば30分で終わります。バイクを支局まで運ぶ必要はありません。
引っ越し前と後でナンバーの地名が変わらない範囲なら、同じ支局管内です。「品川」から「練馬」に変わるなら管轄が変わっているので、現車を持っていってプレートを交換します。